2013年11月28日

ほとぼりが冷めた頃なので追悼しておこう 「LULU / Lou Reed & Metallica」

img249.jpg肝臓移植手術の経過が思わしくなかった為(?)か、10月27日にLou Reedが死去した。
逝去のニュースが駆け巡った直後に、精神科医の香山リカがツイッターで『あくまでも私の場合だけどさ、お悔やみツイートは、こんな人にも関心ある私ってカッケーさしょ?ってアピりたいだけ、って気がするんで、ルー・リードの死はそっと悼もう……って言っちゃ同じことか』と発言し大炎上したらしいが、全くもって香山リカ氏に同感。
流石は精神科医、人間の心理を読んでいる。
私が高校生くらいの頃から苦々しく思っていた事を見事に言ってくれた。
しかもさりげなく、自分はちょっと違うスタンスからのファンだと言う事もアピリながら(笑)。
私の知る限り、ここまでイメージが良くて誹謗中傷を受けないミュージシャンは他に類を見ない(Lou Reedだけではなく、Velvet Undergroundも)。
彼を悪く言う(言える)人は殆どいないし、香山リカ氏の言う様に「好きだ」「知ってる」と言う事で得られるステイタスはかなり高いと思われる。
以前から何度も書いてきた様に、私の嫌いなタイプのファンが多くいる「Velvet Underground」や「Lou Reed」だが、音楽そのものはファン達程イヤではなかった。
みっともないのであまり公言しなかったがこのライブ盤は演奏隊が素晴らしくて本当に好きなアルバムだったし、ベスト盤もひっそりと持っていた。
という事で、世間の「追悼ブーム」が醒めてから、私なりに追悼の意を込めて何か一枚オーダーしようと、色々とチェックしてみたが、購入したのが結局Metallicaとの共演盤の「LULU]
この「LULU」は同名のオペラにインスパイアされてLou Reedが詞を書き、それをLou Reedに共演を持ちかけられたMetallicaが曲を付け演奏したものらしい。
結論から言えば、MetallicaファンにもLou Reedファンにも気に入られにくい微妙な作品だと思う。
従来の様に鉄壁の構成の元、カッチリした演奏を聴かせるMetallicaは無いが、ヘヴィーでルーズでグルーブのあるギターリフは数曲で聴く事は出来る。
Lou Reedだけではなく、James Hetfieldがヴォーカルを取る曲もあるけれど、メタリカ特有の歌メロは探し難い。
ところが何度も聴き返す内に、Jamesに負けない声ヂカラを持つLou Reedのヴォーカルにハマる。
Black Sabbathを思わせる不安定で引き摺るリフと、Lou Reedのこれまた不安定だが強力な存在感を持つ声がヘンにマッチして心地良い。
どっちかだけのファンには到底オススメできないが、プログレも大好きという忍耐力(?)のあるリスナーは大丈夫かも。

↓シングルエディットのクリップが作られる程、アルバム中ではキャッチーな曲。
しかし他の曲もこうだと思ってはいけない。
この曲のメインのギターリフはSabbathを思わせて大好き。

Disc.1
1. Brandenburg Gate (4:22)
2. The View (5:21)
3. Pumping Blood   (7:24)
4. Mistress Dread (6:53)
5. Iced Honey     (4:38)
6. Cheat On Me (11:26)
Dsc.2
1. Frustration (8:34)
2. Little Dog (8:02)
3. Dragon (11:10)
4. Junior Dad (19:29)
posted by judas at 23:19| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | MetalなRock | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年11月27日

【絶園ファン】が求めていたとおりの同人誌的完結編 「絶園のテンペスト / 原作:城平京、構成:左有秀、作画:彩崎廉」特別編第10巻発売!

img248.jpg【ネタバレあり】
9巻で完結した筈の「絶園のテンペスト」の「特別編」として第10巻が発売された。
特異な設定を、「デスノート」と共通する様な様々な理論や推論(屁理屈を含む)で武装したストーリー展開は最初こそ斬新で刺激的だったが、迷走したりラブコメにシフトチェンジしたりして、徐々に飽きられていった様だ。
最後までついていった忠実なファンも、ラストの未消化なオチにはがっかりしたと思う。
それだけにこの「特別編」は、同時発売のファンブック9.5巻と並んで、アマゾンレビュアー達やネット上で非常に歓迎されている。
本編以前のエピソード、本編終了後のエピソード、本編のウラで起こっていたエピソード、「絶園」中一番の人気キャラ「鎖部左門」の日常を描いた「左門さんその日その日」等、オフィシャルというよりは、「アンソロジー」という名の同人誌的二次創作物という印象も否めない。
しかし、上述の様に好評だし、確かに本編が屁理屈の応酬という『窮屈』な展開だったので、読者の望む様に自由にラブコメ風にキャラが動くのは、読むのもとても楽。
とにかく、これでもうオフィシャルとしては続巻が出る事はないだろう。
posted by judas at 00:19| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 書籍関連 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年11月26日

精神的に成長したハルオと小春が遂に対決 「ハイスコアガール最新話 33Credit / 月刊ビッグガンガンVol.12発売」あらすじ&感想

img246.jpg【ネタバレあり】
先月号は「日高小春」の特訓編がちらっと入ったが、最新33話の今月号は大野さんと引き裂かれたあとのハルオを中心に描いてある。
「アイツが一生懸命やるなら俺もいろいろ一生懸命にならねーと.....勉強もバイトも家の事とか...趣味も...」とハルオはポジティヴに日常を送っている。
ヒールの業田萌美(ごうだもえみ)に対しても「あの人は自分の職務をまっとうしているだけだろ..」と非常に大人な発言をしており、また大野さんに対しても「俺は縁が切れたなんて微塵も思ってねーぜ......今まで何度も疎遠になったけどいつの間にか筐体の前に二人して座ってんだ」と前向きに考えている。
ハルオが余りにも『大人』になり過ぎて面白くなく感じる人もいるかも知れないが、この展開はとても正しい気がする。
そして「すべては大切な人のために」と、日高小春に挑戦状を送り、次号34話は遂に「ハルオ対小春」の色々なものを掛けた勝負が始まる、というトコでヒキ。
そうそう、大野さんの姉「真(まこと)」も何かを企んでいる様で、これからも本当に楽しみ。
posted by judas at 00:30| 東京 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 書籍関連 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年11月24日

単行本第1巻の初版部数設定が少なすぎ!  「ハル X キヨ / オザキアキラ」単行本第1巻発売

img245.jpg【ネタバレあり】
「尾崎あきら」改め「オザキアキラ」の最新連載作「ハル X キヨ」の単行本が9月25日に発売されていた。
連載当初から私は大絶賛していたのだが、特にここ数話の充実度は高く「俺物語!」休載中の「別冊マーガレット」の11月、12月号を引っ張っていたのは正直この「ハル X キヨ」だったと言っても良いと思う。
なので単行本を買おうと思ったのが、どこの書店でも売り切れ。
アマゾンでも「入荷まで2〜4週間待ち」の状態で、いくつもの書店を巡りやっと購入する事が出来た。
営業部はオザキアキラとこの作品を甘く見過ぎて、初版の部数を少なく設定しすぎたのかも(品切れを起こした事を営業部は猛省すべき)。
「尾崎あきら」時代から、絵の上手さ、コマの見やすさ、話の分かり易さ、面白さで注目していたが、ここでようやく自分の原作でのブレイクが見えてきたかも。
身長180cmの女のコ「小春」と、150cmの「峯田」クンのラブコメは、新世代「ラブ☆コン」といってもいいくらいテンポが良く、サブキャラ達も魅力たっぷりでここにきて自然に動き出してきた感じ。
大化けするか?
posted by judas at 23:22| 東京 ☀| Comment(6) | TrackBack(0) | 書籍関連 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年11月23日

荒木ワールド炸裂 「岸辺露伴は動かない / 荒木飛呂彦」 露伴スピンオフ遂に単行本化

img244.jpg【ネタバレあり】
国民的マンガ「ジョジョの奇妙な冒険」シリーズの第4部に登場した人気キャラ「岸辺露伴」のスピンオフ短編が遂にコミクス単行本として発売された。
古くは'97年の「懺悔室」から'13年の「密漁海岸」まで15年以上の年代差があるが、どの短編のクオリティも極めて高い。
'08年に「ジャンプスクエア」に掲載された約70ページに渡る「六壁坂」は当時もスクエアを買って読んだが、やはり名作。
グロさと哀しさと緊迫感で圧倒される。
他の「懺悔室」「富豪村」「密漁海岸」オマケ的な「岸辺露伴グッチへ行く」(集英社刊SPUR掲載)も含めて、独特の荒木ワールドが「ジョジョ」以上に堪能できる。
「ジョジョ」ファンや、そうでないマンガファンにも是非読んでもらいたい、非常に優れた短編集。
posted by judas at 23:11| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 書籍関連 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年11月22日

よりコアになって還ってきた 「シャーロッキアン! / 池田邦彦」最新第4巻発売

img243.jpg【ネタバレあり】
3巻から約15ヶ月のブランクを経てようやく最新第4巻が発売された。
もうひとつの人気連載作「カレチ」が佳境に入った為か半年近い休載があったが、「カレチ」も完結し「シャーロッキアン!」が戻って来た。
空白期間を感じさせない独特の世界観は健在で、この青年誌的な「書き込みの少ない背景」「敢えて記号的にしてあるキャラクターの顔」が気にならない人ならハマる可能性はある。
3巻までの雰囲気は以前にも書いたが、再開後はよりコアなシャーロッキアンにウケルるであろうマニアックな内容になってきている気がする。
「シャーロキアン」(英国では「ホームジアン)」とは、世界中に存在する熱狂的なシャーロック・ホームズマニアの事で、『シャーロック・ホームズはワトスン医師が記録を残した実在の名探偵で、コナン・ドイルはゴーストライター』と言い張る面倒臭い人々らしい。
尤も、その様に周囲に思わせて楽しんでいるそうだが。
ホームズ譚は子供向けのものでしか読んでないので、そこまでハマる人々がいるのなら「聖典」と呼ばれるオリジナルのシリーズを読んでみたい気もする。
実際のシャーロキアンである池田邦彦のマンガ「シャーロッキアン!」はコアなホームズ解釈と共に、圧倒的に中高年層の男性読者が多い「漫画アクション」に連載されている事もあり、初老とも言える大学教授「車 路久(くるまみちひさ)⇒音読みで(しゃろく)」と女子大生の恋もメインに描いており、エンターテイメント性は高い。
posted by judas at 00:16| 東京 ☀| Comment(2) | TrackBack(0) | 書籍関連 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年11月21日

ゴッホ兄弟に詳しくない人にオススメ 「さよならソルシエ / 穂積」最新2巻発売&完結!

003 (2).JPG【ネタバレあり】
デビュー短編集「式の前日」が異常に高い評価を受けた穂積の最新作「さよならソルシエ」の第2巻が発売され、完結した。
「式の前日」は絵柄もプロットも稚拙という印象だった(judas私感)が、この「さよならソルシエ」は、題材も意欲的だし、作画の方も読み易くなり飛躍的に成長したと思う。
画家と画商のゴッホ兄弟の史実を元に、穂積が独自の解釈を加えて読み応えのあるマンガになっている。
画家のゴッホは「ヴィンセント・ヴァン・ゴッホ」だと思っていたら、今は「フィンセント・ファン・ゴッホ」と表記する様になったらしく、最初は違和感を覚えたがウィキペディアでもその様に統一されている。
私は「作者のフィクション部分」については許容するし面白いと思ったが、ゴッホ兄弟についてある程度予備知識のある人は「それはちょっと違う」とか「そんな訳ない」と受け入れない事は容易に想像が付く。
男女逆転の「大奥」程の発送の大胆さや緻密な構築力はないが「史実をひっくり返す」という点でよしながふみの影響を少しだけ受けたかも知れない。
前作が何故か絶賛された穂積であるが、この「さよならソルシエ」は、読み手の柔軟さに委ねられる為、高評価は難しいかも知れない。
posted by judas at 00:46| 東京 ☀| Comment(2) | TrackBack(0) | 書籍関連 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年11月19日

装丁がメチャ豪華 「レタスバーガープリーズ.OK.OK! / 松田奈緒子」

002 (5).JPG
この「レタスバーガープリーズ.OK.OK」は、「ヤングユー」(集英社刊行)という2005年に休刊した10代後半から20代の女性をターゲットにたマンガ誌に掲載されていた。
同誌には過去に、大ヒットした羽海野チカの「ハチミツとクローバー」、また槇村さとる、西村しのぶ、辛酸なめ子、山下和美等が連載をしていたことがあり「名門」といっても良い程の存在だったそう。
作者の松田奈緒子を私は「重版出来」で知り、「少女漫画」で大きく転がったので「レタス〜」を全巻揃えてしまった。
表紙カバーがエンボス加工されていたり、小口が、緑、オレンジ、紫等の歌舞伎の引幕をイメージした色に着色されていたりしてかなり豪華。
しかし、作者の松田奈緒子は当初、もっと凝った装丁をリクエストして、予定単価を見積もったら一冊1,200円!
断念してシンプルなもので妥協?したが、それでも「838円+税」とかなり高価になってしまった。
内容は、やや高めの年齢の読者層を意識した恋愛もので、女性特有の嫉妬深さや男に対する願望も描かれており、女性読者の共感は大いに得られたと思う。
美人ミステリー作家だが、戦国ヲタクで変わり者の綾と、時代物専門の挿絵画家の稲造とのコミカルだったりシリアスだったりする恋愛を縦軸に、作家仲間や家族との関わり合いを絡ませた作品で、徐々に惹き込まれて行ってしまった。
時折りミュージカル風になったり、母親や妹、またその彼氏等、家族がフィチャーされるところは、東村アキコの「ひまわりっ」に影響を与えたかも。
上述の「重版出来」や「少女漫画」とはかなり趣は違うが、なかなか深いマンガだった。
posted by judas at 00:39| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 書籍関連 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年11月17日

坂本は進化していた 2巻はたっぷり印刷? 「坂本ですが? / 佐野菜美」最新第2巻発売

img242.jpg【ネタバレあり】
第1巻が出版社の想像を超えて初動売り上げが物凄かった為、品切れ騒動が起きてネットでも話題になった「坂本ですが?/佐野菜美」(KADOKAWA刊行)の最新第2巻が一昨日の11/15に発売された.
1巻で懲りた為か、最新第2巻は書店の平台の大半を占拠する程の大量の部数を刷った様(アニ☆イトでは既に品切れだったが)。
1巻だけの「出落ちに終わるのでは?」という懸念もあったが、坂本君のスタイリッシュさはかなりグレードアップされていた。
今巻では生活指導の教師「角田」との抗争が描かれるが、結局彼も以前坂本に目を付けていたヤンキー達の様に坂本に魅了されてしまう。
またクラスメイトの母親が本気で坂本に恋に落ちてしまったり、2年を仕切るイケメンヤンキー8823(ハヤブサ)先輩との決闘?があったりと非常に工夫されている様に見受けられた。
絵柄も坂本君の様に「スタイリッシュ」だし、コマ割り等が上手な為かテンポがとても良く、読み易い(コレメチャ重要)。
「スタイリッシュであるという事から笑い生む」のが非常に難しいと思われるが、最低5巻ぐらいまで何とか頑張って続いて欲しい。
ここまで話題になると、叩かれ易いが私は次巻が既に楽しみ。
とは言え「乙嫁語り」も連載されている「ハルタ」は、年間10回という変則刊行誌なだけに第3巻の発売はまだまだ先(恐らく10ヶ月後位か)。
posted by judas at 22:06| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 書籍関連 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

アリス・クーパーの「I Never Cry」の邦題が「僕は泣かない」だと思ってた人はいませんか

俺は泣かない.jpgAlice Cooperのマイブーム中のjudas家にちょっと衝撃が走った。
ウチの奥さんが中学生の時に買って、実家から持ってきたAlice Cooperの「ユー・アンド・ミー」のシングルのジャケット上方を改めてジックリ見直したら『「俺は泣かない」に続くニュー・シングル』と書いてあって非常に驚いた。
私もウチの奥さんもずっと昔から「I Never Cry」の邦題は「僕は泣かない」だと思い込んでいたからだ。
当時は当然別々の生活を送っていた私と奥さんが、同様に「僕は泣かない」だと思い込んでいたのには何か理由があるに違いないと、記憶を遡ってみた。
そうしたら「ラジオでそう言っていた」という事で意見が一致。
そのラジオとは、当時の「ラジオ関東(現在は『ラジオ日本』)」の「全米TOP40」で、坂井隆夫アナや湯川れい子女史が「僕は泣かない」と言っていたのではないかと推測している。
私は「I Never Cry」が収録されたAlice Cooperの「アリスクーパー地獄へ行く」やシングル盤を買わなかった為、正規の日本タイトルを知らずに今まで来てしまった訳だ。
002 (11).JPG「僕は泣かない」というタイトルに慣れてしまうと「俺は泣かない」に結構違和感がある。
曲調からして、気弱な男性がもう泣かないと静かに決意するというイメージで、「俺」という程自己主張が強そうに思えない。
まあ「I Never Cry」という風に原題で呼んでいれば問題は無い訳で、それ程衝撃を受ける話ではないのかも知れないが非常に驚く出来事ではあった。
【ゴードン・ライトフットの「「The Wreck Of The Edmund Fitzgerald」の邦題も「エドモンドフィッツジェラルド号の悲劇」と記憶していたが、現在ネットで検索すると「エドモンドフィッツジェラルド号の難破」(直訳っぽい)と書いている人が多い】
ネットで探すと「僕は泣かない」とか言っている人も少なからずいるので心強い(?)けれど。。
posted by judas at 00:20| 東京 ☁| Comment(4) | TrackBack(0) | アメリカンなロック | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年11月10日

時が経って良さが分かったアルバム 「Rock And Roll Over / KISS」(Remastered)

img240.jpg前作「地獄の軍団」が余りに素晴らしい夢の様なアルバムだった為、この「Rock And Roll Over(邦題:地獄のロックファイヤー)」には、リアルタイムではかなりガッカリした。
「地獄の軍団」は、車に乗り込み激突するまでをハードでドラマティックな曲に乗せリアルに表現した「Detroit Rock City」、スロー&ヘヴィな曲の格好良さを教えてくれた「God of Thunder」、軽快でキャッチーな「全員合唱ナンバー」の「Flaming Youth」「Shout It Out Loud」、ドラマティックで美麗な「Great Expectations」「Do You Love Me」、メロディアスで美しく詞が切ない「Beth」等、ヴァラエティに富みながらもほぼ完璧なロックアルバムとして私は完全に転がりまくった。
曲の長さも、5分台1曲、4分台3曲、3分台3曲、2分台2曲と長短があり、アルバムの起伏を作っていたと思う。
ところが、この「Rock And Roll Over」は、勿論各曲は良く出来てはいるが、3分台8曲、2分台2曲とほぼ均一の長さの曲が並び、それがアルバムを平坦な印象にしていたのではないかと私は感じた。
しかし、今回リマス盤を入手して久し振りに「前作との比較」を離れてじっくり聴いたらかなり良かった。
特に「Take Me」「See You In Your Dreams」「Baby Driver」「Love'em Leave'em」「Mr.Speed」等の非シングルでライブでもあまり演奏される事がなかったであろう曲群を再認識。
「Alive!」や「Destroyer」以降から本格的に聴き始めた私の様なファンには信じられないが、初期3枚のシンプルでストレートなKISSのサウンドが好きな多くののアメリカのファンには、Bob Ezrinの過剰とも言えるプロダクションがなされた「Destroyer」は、評判が悪かったらしい。
「Destroyer」からの1stシングルの「狂気の叫び」は31位、2ndシングル「燃えたぎる血気」が74位と、意外に振るわず、アルバムの伸びも途中からジリ貧気味だった。
そこで満を持して「Detroit Rock City(Edit)」をシングルカットしたが皮肉な事に、ラジオでかかりまくり最高位7位というそれまでのKISS史上最大のヒット曲となったのは、B面に収録されたPeter Crissの歌う"最もKISSらしくない"バラード「Beth」だった。
結局それによって「Destroyer」はアルバムチャートの11位まで上がるヒットとなり、KISSの代表作となった。
故に「Destroyer」に続くアルバムはEddie Kramerを起用した【初心に戻ったストレートでシンプルなものへの回帰】というのは当然のテーマだったのかもしれないが、アルバム発売日に合わせて倹約をし、即買いに走った私は本当にがっかりしたものだった。

↓余りライブで演奏されないと書いたが2006年の来日の際にはステージで演っていた様だ。

1.I Want You
2.Take Me
3.Calling Dr.Love
4.Ladies Room
5.Baby Driver
6.Love'em And Leave'em
7.Mr.Speed
8.See You In Your Dreams
9.Hard Luck Woman
10.Makin' Love
posted by judas at 01:17| 東京 ☀| Comment(2) | TrackBack(0) | アメリカンなロック | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

また面白いマンガに出会えた 「少女漫画 / 松田奈緒子」('08)

img241.jpgああ、また物凄く面白いマンガを読む事が出来た。
これを教えてくれた人とマンガの神様ありがとう。
以前取り上げた「重版出来(じゅうはんしゅったい)」の話を知人としていたら、作者の松田奈緒子はそれ以前にも「レタスバーガープリーズ、OK,OK」や「少女漫画」という作品を描いていると言う事を教えてくれた。
ちょっと調べたら「少女漫画(集英社クイーンズ・コミック)の方は、「ベルサイユのばら」「ガラスの仮面」「パタリロ」「あさきゆめみし」「おしゃべり階段」というマンガ史に残る名作を題材にした連作短編集という事で即オーダー。
読んでみたら、自分が想像していたものより遥かに面白く何度も何度も読み返してしまった。
特に上記のマンガのパロディやオマージュという訳ではなく、作品のモチーフとなったり登場人物の行動原理として扱われていると言った方が良いかも知れない。
ただ、その扱い方が非常に上手い。
各原作者もこれなら満足しているのではないか。
私は「ガラスの仮面」の姫川亜弓的矜持を持ったセレブ女子アナの話が特に良く出来ていると思った。

「俵あん」というセンスや技術はあるが「少女漫画」に対してそれ程熱意を持てない漫画家を全編を通しての主役として配置し、各短編を関連付け、最終章の「少女漫画家たち」で彼女が少女漫画に対して打ち込んでいこうと決意する姿を描いている(単行本一巻完結)。
最終章に登場する「麗束薔子(うららづかそうこ)」や「鼻血ブー子(元モデルのギャグ漫画家)」「内山田春菜」などのマンガ家達は非常にリアルで、恐らく実在のマンガ家をモデルにしているのだろうと思った。
「重版出来」の成功は、題材の面白さや業界の裏話に頼っているところが大きいと思っていたが、「少女漫画」のセンスや構成力も本当に素晴らしく、松田奈緒子という人は大変な実力者である事を今更ながら認識した。
尚、本作には「五百旗頭(いおきべ)」という編集者も登場するが、「重版出来」の同名の登場人物とは出版社の名前も違うので、同一人物という設定ではないと思われる。
posted by judas at 00:35| 東京 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 書籍関連 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年11月06日

邦題は【地獄の宝石】「The Very Best Of KISS」

img239.jpgKISSマイブームによるまとめ買いシリーズより「The Very Best Of KISS」
主要アルバムは旧CDやリマスCDでもほぼ揃ってきているが、ついでに(?)ベスト盤も購入。
KISSともなれば、相当の数のベスト盤が存在しており、「Double Platinum」「KIllers」等も当然持っているが、今回は結局この「The Very Best of KISS」をチョイス。
尤も、総じて市販のベストアルバムで本当に「ベスト選曲」というのは稀。
完全に自分の好みにあったベスト盤が欲しければ自分で編集して作るのが一番。
私はカセットテープの時代からそうしてきたし、今でも「自分だけのベスト盤」作成の為にオリジナルアルバムを収集する事が多い。
とは言え、いわゆる「コンピレーションやベスト盤」も好きで、主要オリジナルアルバムを揃えた上で購入する事も多い。
上記の様にオフィシャルの「市販ベスト盤」と言うのは、色んな大人の事情も絡んでか意外に歪(いびつ)な選曲が多かったりするところが私好み。
「なんでコノ曲が入ってて、アノ曲が入ってないんだよ〜」とか、文句を付けながら楽しむのもベスト盤の醍醐味であると私は思ったりしている。
ゆえに好きなアーティストは何種類もベスト盤を持っていたりする。
で、ようやくKISSのベスト盤の話になるが、この「The Very Best Of KISS」は、かなり順当で波乱がなく、問題点は曲数が少ない事と当たり前すぎる事くらい。
そりゃ、なんで「Firehouse」「Cold Gin」「Let Me Go Rock'n Roll」「Flaming Youth」が入っていないんだ!と怒る人も多いだろうが、私は「CDのベストなら一枚モノにまとめて欲しい派」なので、これはこれでアリ。
唯一、レアな点と言えばAceのソロヒット曲「New York Groove」が収録されている事。
79年にビルボードで13位まであがるビッグヒットなとなった曲。
よくイギリスの「Hello」のカバーと紹介されているが、オリジナルはあの「被カバー王」のRuss Ballardである。
私がこのベストをチョイスしたのはその「New York Grove」と「四分割顔面アップジャケット」、「Deuce」から「God Gave Rock'n Roll To You U(これもRuss Ballard作だ)」までムリムリ一枚にまとめてあるところ等が要因かも。
ま、とにかく順当過ぎるベストであるが、車の中や居間でBGMの様に流れていると結構心地よい。
以前紹介した「素顔期のベスト盤」もオススメ。

↓1996年のリユニオンツアーより。このヘロヘロ感こそがACE。

1. Strutter
2. Deuce
3. Got To Choose
4. Hotter Than Hell
5. C'mon And Love Me
6. Rock And Roll All Nite ("Alive" Version)
7. Detroit Rock City (Edit)
8. Shout It Out Loud
9. Beth
10. I Want You
11. Calling Dr. Love
12. Hard Luck Woman
13. I Stole Your Love
14. Christine Sixteen
15. Love Gun
16. New York Groove
17. I Was Made For Lovin' You
18. I Love It Loud
19. Lick It Up
20. Forever
21. God Gave Rock 'N' Roll To You II
posted by judas at 00:02| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | アメリカンなロック | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年11月01日

騒ぐ程の違和感はないと思う  「Destroyer-Resurrected / KISS」('12)

img237.jpg以前からアマゾンで良く見かけて気になっていた「Destroyer-Rsurrected(復活)」を今回のKISSマイブームの勢いに乗って購入。
これは「Alive!」で一気に大ブレイクしたKissが1976年に発表した、彼らの最高傑作とされる事が多い「Destroyer(地獄の軍団)」のリミックス盤。
リミックス盤にありがちの、現在人気のある若手のミュージシャンがオリジナルの持ち味をズタズタにしたものではなく、オリジナルプロデューサーのBob Ezrinが手掛けているので当時からのファンも安心して聴ける。
「Beth」で、編集されてしまったヴォーカル部分が復活されたり、「Flaming Youth」のオリジナルギターソロヴァージョンがボートラで追加されている他は、違和感を覚える程の大きな変化はない(と私は思うけど)。
尤も、曲によってはベースのが音が固くなって全面に出てきた様な印象を受ける。
また通常のリマス同様、楽器の分離がよくなり音がくっきり聴こえる気がする。
とりわけ「地獄の遺産(Geat Expectations)」のピアノの音がハッキリ聴こえる様になったかも。
「全然別物になった」という意見も多少あるようだけれど、私は擁護派。
ただし、今回の来日によりミュージック・ステーションなどでKISSに興味を持ち、初めて「地獄の軍団」を聴く若い人は、やはりオリジナル盤を聴いた方が良いと思う。
kiss des.jpg「地獄の軍団以降は新コスチュームで行く」という方針が決まる前に、当初のジャケットは出来上がったのか「Alive!」までの衣装で描かれており、慌ててお馴染みの新コスチュームでのジャケに差し替えられたらしい。
それがこの「Resurrected」で使用されているが、やはり、差し替え後の方がコスチュームも豪華だし、背景の「色味」が綺麗で好き。



↓一部編集されたオリジナルのヴォーカルが復活したとの事だが、2つのヴァージョンをしつこく聴き比べないと違いは分かり難い。

1.Detroit Rock City
2.King of The Night Time World
3.God of Thunder
4.Great Expectations
5.Flaming Youth
6.Sweet Pain Shout It Out Loud
7.Beth
8.Do You Love Me
Bonus Trck
9.Sweet Pain(Original Guiter Soro)
posted by judas at 00:29| 東京 ☔| Comment(4) | TrackBack(0) | アメリカンなロック | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする