2015年02月03日

待ちに待った! 『ジョーカーゲーム』シリーズ最新作発売!「ラスト・ワルツ / 柳広司」 やや「抒情派プログレ」気味だが変わらぬ「D機関ワールド」の面白さ

IMG_0809.JPG【ネタバレあり】
昨日は、映画版の「ジョーカーゲーム」について書いたが、今回は柳広司の原作シリーズの第4弾「ラスト・ワルツ」について。
第一作目の「ジョーカーゲーム」にメッチャクチャ転がって、新作が出る度に速攻で買って夢中で読んできた。
とにかく「D機関」を設立した「結城中佐」がカッコ良すぎる。
色々なミステリー系、ハードボイルド系を読み漁ってきたが、史上最もクールでインテリジェントでミステリアスなキャラクターだと思う。
最新作「ラスト・ワルツ」は、「アジアエクスプレス」と「舞踏会の夜」という50ページ程度の短編と「ワルキューレ」という110ページ程の中編の3編で構成されている。
中でも、タイトル作(?)とも言える「舞踏会の夜」は、このシリーズにしては珍しく、スパイ視点ではなく、侯爵家令嬢の加賀美顕子(旧姓:五條)の視点で描かれる。
15才の頃、愚連隊に絡まれたところを助けくれた「目に見えぬ黒い大きな翼を背負っているかのような」謎の男との再会を夢見ている顕子の目の前に、ついにその男が現れるのだが.....というストーリーなのだけれど、やはりそこは「ジョーカーゲーム」シリーズ。
「結城中佐」(と思われる人物)の若き日の姿も垣間見る事が出来、そして意外且つスタイリッシュな展開で読者を魅了する。
私はこの「舞踏会の夜」が一番好きだが、他2編もそれぞれ違った色合いの魅力がある。
「ワルキューレ」では、「ベルリンオリンピック」の『プロデューサー』として、また映画制作を通してナチスドイツのプロパガンダ戦略を大成功させた「ヨーゼフ・ゲッペルス」が実名で登場したり、突如締結された「独ソ不可侵条約」に混乱する日本軍が描かれたりする。
ノンフィクション的な興味と「D機関ワールド」の醍醐味がブレンドされ、本当に惹き込まれる。
プログレに喩えると、2作目までが「超絶技巧プログレ」で、3作目の一部と本作は「抒情派プログレ」と言えなくもなく「やや物足りない」と感じる読者もいるかも知れないが、面白さに全く衰えはない。
「ラスト・ワルツ」というタイトルから、一瞬これがシリーズ最終作になるのか?と思ったが、読んだらまだまだ「ジョーカー・ゲーム・ワールド」は続きそうなので安心した。
とは言え、上述の様に「戦局」はいよいよ大詰めを迎えつつあり、このシリーズもそれ程長く続ける事が出来ないかも知れない。
posted by judas at 00:26| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(1) | 書籍関連 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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スパイ小説 第4弾
Excerpt: 小説「ラスト・ワルツ」を読みました。 著者は 柳 広司 ジョーカー・ゲーム シリーズ4作目 今作も3つの短編からなる構成 今作もどの話の面白く 読めたし、スパイ小説として成立していて ただ や..
Weblog: 笑う社会人の生活
Tracked: 2016-03-30 22:49